ここでは、『ひちゃこのゲーム体験記』の後継漫画である『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』についてまとめております。
ヒメマルのゲームてんこもりっ!
ファミ通キューブ+アドバンス2005年1月号(2004年11月20日発売)から
ファミ通DS+キューブ&アドバンス2006年6月号(2006年4月21日発売)まで
連載された、姫野かげまるによる漫画作品(ファミ通キューブ+アドバンスは
2006年5月号から雑誌名をファミ通DS+キューブ&アドバンスに変更している)。
単行本化はされていない。
掲載開始の前号である2004年12月号には、『ひちゃこのゲーム体験記』(当時連載
していた本作の前任漫画)の最後のページに「次号からは姫野かげまる先生の新しい
マンガが始まるよ!」と予告が書いてあり、予告通り翌号の2005年1月号から本作の
連載が開始した。連載は2006年6月号まで続いた。合計18号分に掲載され全18話、
1年5ヶ月の連載だった。単行本化されなかった理由は公表されていないので不明だが、
『ひちゃこのゲーム体験記』ほどの人気は無かったことや話数が少ないためだと思われる。
漫画の内容
作者である姫野かげまるがゲームをプレイしてその感想を描く体験記漫画。ギャグ要素が強い漫画で、基本的に面白おかしい内容となっている。
漫画の描かれ方は毎回様々だが基本的に、作者の自画像キャラクターの「ヒメマル」がゲームをプレイしている様子に加え、ゲームの世界に入ってゲームのキャラクターと共にゲームの世界を体験している様子が描かれている。ゲームの世界に入ってはいないが、ゲームキャラクターのコスプレをしたヒメマルがゲームをプレイする様子が描かれている回もある。ヒメマルの個人的なこと(ゲームとはあまり関係ないこと)が描かれることが多々あり、ゲームの内容を読者に伝えるということは重視していないようである。
また、ゲームをプレイする代わりにポケモン関連の施設に訪問したり、ポケモンの映画を観てその感想を描いた回もある。
漫画は、全て任天堂製、任天堂発のものをテーマにして描かれている。テーマになっているゲームは、当時の最新のゲームや話題のゲームばかりで、
ゲームキューブ(GC)ソフトとニンテンドーDS(DS)ソフトとゲームボーイアドバンス(GBA)ソフトである。また、漫画のテーマとなるゲームは基本的には毎号違うゲームになっているが、最後の『おいでよ どうぶつの森』のみ5号連続でテーマにされた。
最終回について
最終回の前号である2006年5月号には最終回の予告などは特に載っておらず、漫画の最後のページには「次回もまたまた『おいでよ どうぶつの森』なのだっ!」と次回予告が書かれていただけだった。そして翌号の6月号の漫画内で初めて最終回であることが明かされた。最終回の最後の方で「……そんなこんなで 突然ではありますが……」というメッセージがいきなり出てきて、その次のコマでヒメマルが最終回であることを告白。漫画の最後でヒメマルは読者に感謝し、「ではでは またどこかでお会いできる日を夢見て!!」と別れの挨拶をしている。
連載終了後について
連載終了後、『ファミ通DS+キューブ&アドバンス』には「イラストワールド」(読者からの投稿イラスト掲載コーナー)などに、作者を慰労する
投稿などが寄せられた。ちなみに、『ファミ通DS+キューブ&アドバンス』は2006年2月号から、『ファミ2(ツー)コミック』(ゲームを原作と
した漫画作品をいくつか収録した小冊子)という別冊付録を付ける形式を採用しており、本作の連載終了後は後継となる漫画の連載はされず、本作の連載終了とともに『ファミ通DS+キューブ&アドバンス』本誌から漫画掲載枠(『ひちゃこのゲーム体験記』から続いていた4ページの漫画枠)が
無くなった形となった。
漫画の構成
漫画はカラーで4ページ。最初のページの上半分に扉絵が描かれており、扉絵内にタイトルと作者名が載っている(漫画のタイトルは『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』の後に『〇〇』編(〇〇にはテーマとなっているゲーム等の名前が入る)という副題が付けられている)。漫画は扉絵の左下のコマから始まる。『ファミ通キューブ+アドバンス』は左開きの雑誌のため漫画は左から順に読んでいく構成になっており、ふきだし内のセリフは基本的に横書きになっている(あえて縦書きされているものも時々ある)。ふきだし以外のセリフや描き文字などは手書きされている(たまにふきだし内のセリフが手書きされていることもある)。漫画が掲載されているページの端部分には、漫画に関するコメントや作者への便りの宛先がオレンジ色の文字で縦一行で書かれている(書かれていないページもある)。漫画の最後のページの一行コメント欄には次回予告が書いてある場合もあり、
翌号の漫画はその予告通りの内容になっている。漫画の掲載ページは不定だが、基本的に後半のページに掲載されている。しかし『ファミ2(ツー)コミック』が付録として添付されるようになった2006年2月号頃からは前半のページに掲載されるようになった。ちなみに、基本的に漢字には全て
ふりがなが振ってある。
扉絵について
扉絵内の漫画タイトルや作者名の配置やサイズは毎回様々。2005年3月号まではタイトルの『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』ロゴは扉絵の枠から一部がはみ出して載っていたが、翌号の4月号以降は扉絵の枠内に収まって載るようになった。副題については、2005年8月号までは『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』ロゴのすぐ下に書かれていたが、翌号の9月号では副題は映画の公式ロゴを引用しており扉絵の中央に載っていて、この号を転機にこの号以降は副題の配置は毎回ばらばらとなった。作者名は、2005年2月号までは比較的大きいサイズで載っていたが、翌号の3月号からは
比較的小さいサイズで載るようになった。
登場人物
ヒメマル
主人公で、漫画内での作者本人。本名は姫野かげまるで、愛称がヒメマル。黒いロングヘアーに黄色いメッシュという非常に特徴的な髪型をしている。目の虹彩は黄色(たまに別の色で描かれることもある)。服装は毎回様々で、ゲームキャラクターのコスプレをすることもある。服装はシマシマ模様のものを着ていることが多く、毎回結構おしゃれな格好をしている。また、時には「ゲーム業界のナゾを探るスパイ」(時給350円のバイト)として活躍することもある。ちなみに、友達が少ない。
時々「よろしくプリーズ プリーズ」などと英語を混ぜたり、語尾に「なり〜」を付けたりするなど、言葉遣いが少々変わっている。ゲームの操作は
特に下手という訳ではないが、説明書をよく読んでいなかったためにミスすることなどが多い。また、作者はキャラの指に顔を描くのが好きらしく、たまにヒメマルの指に顔が描かれていることがある。一人称は「私」「アタシ」「ワタクシ」「アタクシ」「ヒメマル」など。「ヒメマルのいえ」と書かれた犬小屋のような家に住んでおり、近所の人からゲームをプレゼントされたり、読者からファンレターをもらったりしたこともある。ちなみに『ニンテンドーDS編』では作中で誕生日(7月24日)や好きな食べ物(サツマイモ(焼き芋)、白い食べ物)を何気に明かしている。『nintendogs編』では子犬に「100円」(ヒメマルのバイトの時給が由来)という名前を付けた。また、『マリオテニス アドバンス編』では福山雅治にラブを叫んでおり、「作者は福山雅治好き」説が浮上した。『おいでよ どうぶつの森前後編』では村の住人「ハムカツ」に恋をした。
※登場人物は基本的にヒメマルのみで、あとはゲームキャラクター。時々、漫画を面白くするために作者オリジナルのゲスト人物が登場する回も
ある。また、たまにヒメマルの想像などで著名人(シャラポワや福山雅治など)が描かれることもあった。その他は強いて言えば店員や客や配達員
などのモブキャラが登場する程度。
掲載話
第1話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『マリオテニスGC』編(2005年1月号のP140〜143に掲載)
第2話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『マリオパーティ6』編(2005年2月号のP84〜87に掲載)
第3話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『ニンテンドーDS』編(2005年3月号のP72〜75に掲載)
第4話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『ニンテンドーDS』編その2(2005年4月号のP72〜75に掲載)
第5話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『タッチ!カービィ』編(2005年5月号のP92〜95に掲載)
第6話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『ポケパーク』編(2005年6月号のP84〜87に掲載)
第7話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『nintendogs』編(2005年7月号のP84〜87に掲載)
第8話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『ポケモンセンターヨコハマ』編(2005年8月号のP92〜95に掲載)
第9話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『劇場版ポケットモンスターAG ミュウと波導の勇者ルカリオ』編(2005年9月号のP112〜115に掲載)
第10話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』編(2005年10月号のP84〜87に掲載)
第11話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『マリオテニス アドバンス』編(2005年11月号のP92〜95に掲載)
第12話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『スーパープリンセスピーチ』編(2005年12月号のP102〜105に掲載)
第13話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『マリオパーティ7』編(2006年1月号のP92〜95に掲載)
第14話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『おいでよ どうぶつの森』前編(2006年2月号のP40〜43に掲載)
第15話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『おいでよ どうぶつの森』後編(2006年3月号のP36〜39に掲載)
第16話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『おいでよ どうぶつの森』つり大会編(2006年4月号のP38〜41に掲載)
第17話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『おいでよ どうぶつの森』クイーンのかんむり編(2006年5月号のP42〜45に掲載)
第18話 ヒメマルのゲームてんこもりっ!『おいでよ どうぶつの森』金の村!?編(2006年6月号のP52〜55に掲載)
掲載話解説(特筆事項のみ記載する)
第3話 「ゲーム業界のナゾを探るスパイ」のボス(正体不明)から指令を受けて、ヒメマルがニンテンドーDSについて調査するという内容。前半
ではDS本体について紹介、後半ではピクトチャットについて描かれている。また、漫画の後半では「ジョナサン」という八百屋のオヤジ
(いつもは無愛想だが本当はフレンドリーな人柄)が登場。ちなみにこの「ジョナサン」は、他の回でもちょいちょい登場している。
第4話 ヒメマルは前回に引き続きスパイとなってニンテンドーDSのソフトについて調査するという内容。ソフトは『さわるメイドインワリオ』
と『ポケモンダッシュ』を体験している。スパイのボスとはピクトチャットで連絡を取っており、今回は調査結果の報告がテキトーだった
ためヒメマルはバイト料をもらえず、スパイのバイトはこの回で終了となった。
第5話 カービィのコピー能力に憧れたヒメマルは暴食してしまい、『タッチ!カービィ』のカービィのようなまんまるの体になってしまった。
その悩みをテレビの「お悩み相談コーナー」に相談するという形で描かれている。そのため「みのもんた」のような人物が登場している。
第6話 当時名古屋に設置されていた遊園地『ポケモン ザ パーク 2005』に訪問した様子が描かれている。
第8話 『ポケモンセンターヨコハマ』に訪問した様子が描かれている。ちなみにヒメマルはチャイナドレス姿でセクシー。
第9話 当時公開されていた映画『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者 ルカリオ』を観た感想が描かれて
いる。「カッコよさに胸キュンだったヒメマル」と「かわいらしさに心をうばわれたヒメマル」と「とにかく感動しちゃったヒメマル」が
登場している。
第13話 『ニンテンドーDS編』に登場した八百屋のオヤジ「ジョナサン」が再登場。松茸をかけてヒメマルと『マリオパーティ7』で対戦した。
第17話 後半に少しだけだが八百屋の「ジョナサン」が登場し、ヒメマルに助言してあげている。
作画について
おそらく全話デジタル作画である。そのため作中では、描いたものをコピーして使い回していると思われるものもある。『ひちゃこのゲーム体験記』(アナログ作画)の続編とも言える漫画でありながら作画は対照的なので、この2作品は良くも悪くも読者に比較されたと思われる。
連載期間が短かったので絵柄や描き方の変化等は特には見られないが、髪の黄色いメッシュの色が若干変化しているなど微妙な変化はある。
基本的にゲーム画面なども絵で表現されているが、『ポケパーク編』ではポケパークの全体マップ(公式のマップ)を引用して説明している。
余談だが、『スーパープリンセスピーチ編』の扉絵にはピーチ姫のコスプレをしたヒメマルが美麗に描かれており、読者から特に人気があった。
ちなみに、八百屋の「ジョナサン」の前掛の色や書かれている字は毎回変化している。色は青や緑、字は「百」や「や」や「ジ」など。
ゲームの発売日と雑誌の発売日について
月刊誌連載なので通常は原稿の締切までは1ヶ月ほど期間があるものだが、ゲームの発売日(映画の公開日)からそのゲームをテーマにした漫画が掲載される『ファミ通キューブ+アドバンス』の発売日まで、1ヶ月も無いものが多々ある。当然だが締切は掲載誌の発売日の前なのでゲームのプレイを
含めた原稿制作期間は更に短くなり、製品の発売日に製品を購入していたのなら、原稿の制作はかなりギリギリの進行だったと思われる。一見そう
思うが、中には1ヶ月無いどころか製品の発売日よりも先に掲載誌が発売されているものもあるので、作者は製品の発売日以前にその製品に触れていたのだろう。明らかに発売日よりも前に作者が触れていたゲームは以下の2作品。その他のゲームも発売日以前に触れていた可能性が高い。
『タッチ!カービィ』
発売日は2005年3月24日で、掲載誌の発売日は2005年3月19日。
『スーパープリンセスピーチ』
発売日は2005年10月20日で、掲載誌の発売日は2005年10月21日。
備考
*初回の2005年1月号では作者は「マンガ家兼ヘッポコゲーマー」と紹介されている。
*漫画掲載ページのページ端の一行コメントによると、作者はいちご、ポケモン、ラーメン、福山雅治(?)、牛肉が大好きで、ハムカツが大好物
とのこと。また、漫画の作中では作者は少々下品な姿(ところかまわず値切ったり、鍋のままラーメンを食べたり、こぼれた汁をソデで拭い
たり、屁をしたり、笑い方に品がなかったり、怒ると口が悪くなったり等々)が描かれることがあるが「本当はとってもおしとやか」らしい。
ちなみに『マリオパーティ7編』ではヒメマルは松茸を食べたことがなく松茸を手に入れることに必死だが、実際は作者は松茸より椎茸の方が
好きらしい。また、作者はマグロを見ると興奮してしまうらしい。
*『nintendogs編』には、司会の「鈴木ハジメ」という人物が登場した。ちなみに作者はこの回でも「白いもの」が好物だと何気に明かしている。
*本誌に付いているアンケートハガキでは本作のタイトルは全て副題を省いて『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』とだけ記述されている。また、
本誌の目次では2005年9月号から副題を省いて記述されるようになった。
*この作品の連載が開始してからは『ファミ通キューブ+アドバンス』本誌の読者イラスト投稿コーナー「イラストワールド」に主人公ヒメマルを
描いたイラストが投稿されるようになった。時には「イラストワールド」内にヒメマル関係のイラストのみを掲載する「ヒメマルファン倶楽部」
という掲載枠が設けられるほどであった(ただし「ひちゃこファンクラブスペシャル」のような拡大版は一度も無かった)。