ひちゃこのゲーム体験記
ファミ通キューブ+アドバンス2002年2月号(2001年12月21日発売)から2004年12月号(2004年10月21日発売)まで連載された漫画作品。
単行本化されている。
掲載開始の前号である2002年1月号には掲載の予告などは特に載っておらず、2月号(2001年12月21日発売)でいきなりこの漫画が掲載された。
新しい漫画がいきなり始まった形だったので戸惑った読者も多かった。同時に、ひちゃこという漫画家の存在をこれで初めて知ったという人も多い。
当初は3ページで2~3回の読み切りの予定だったが、掲載当初から好評で「おもしろい!」などの便りを出す読者が続出し、読み切りではなく
連載という形に変更となった。2002年5月号からはページ数を1ページ増やした4ページでの連載となり、2004年12月号(2004年10月21日発売)
まで連載は続いた。合計35号分に掲載され全35話、2年10ヶ月の連載だった。
連載終了から約2ヶ月後の2004年12月25日には、単行本が発売された。
漫画の内容
タイトル通り、作者であるひちゃこがゲームをプレイしてその感想を描く体験記漫画。
基本的に、作者の自画像キャラクターの「ひちゃこ」がゲームの世界に入って、ゲームのキャラクターや他の登場人物と共にゲームの世界を体験し、ゲームの内容や面白い箇所や難所などを面白おかしく読者に伝える、というスタイルで描かれている。ひちゃこ先生独自の目線で基本的に描かれて
いるが、誰もが経験するであろうゲームのあるあるネタも結構描かれている。そのため、ゲーム紹介漫画・広告漫画寄りの回もある。
また、ゲームをプレイする代わりに『ポケモンセンター』に訪問したり、ゲーム発のアニメや任天堂の製品をレポートしたこともある。
漫画は、『バイオハザード』(カプコン)と『ゲームアニメ体験記』で紹介されたアニメ『ロックマンエグゼ』(カプコン)以外、全て任天堂製、
任天堂発のものをテーマにして描かれている。テーマになっているゲームは、当時の最新のゲームや話題のゲームばかりで、基本的に
ゲームキューブ(GC)ソフトとゲームボーイアドバンス(GBA)ソフトである。また、漫画のテーマとなるゲームは基本的には毎号違うゲームになっているが、2号連続で同じゲームがテーマにされたこともある。その場合は漫画タイトルの後に「前編」などの副題が付けられている。
最終回について
最終回の前号である2004年11月号には最終回の予告などは特に載っておらず、漫画の最後のページに「次回、ひちゃこから重大発表が!?」と
書かれていただけだった。そして翌号の12月号の漫画内で初めて最終回であることが明かされた。最終回の最後のコマから7コマ目で、ひちゃこが「勝って終わりたかった……」と連載終了を示唆する発言をし、その後に最終回であることを告白。最後はヒ=チャーコ、ひちゃお、ひちゃぞうの
3人が登場し、約3年間の連載が終わった。最後のコマでひちゃこは感謝の言葉と「またいつの日か会いましょーっ!!」と再会したい気持ちを読者に
残している。
また、最終回の最後のページには「次号からは姫野かげまる先生の新しいマンガが始まるよ!」と新連載の予告が書いてあり、
予告通り次号(2005年1月号)から『ヒメマルのゲームてんこもりっ!』の連載が始まった。
連載終了後について
連載終了後、『ファミ通キューブ+アドバンス』には連載終了を悲しむ声や、作者を慰労する声などが読者から多数寄せられた。また、単行本が発売されると、購入した読者から「この漫画、宝物にします!!」などの喜びの声が寄せられた。ちなみに本誌のバックナンバー掲載ページには単行本の
宣伝が数年間載っていた。
漫画の構成
漫画はカラーで4ページ(2002年4月号までは3ページ)。最初のページの上半分に扉絵が描かれており、扉絵内にタイトルと作者名が載っている。
漫画は扉絵の左下のコマから始まる(『大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』のみ扉絵は漫画4コマの後に描かれている)。
『ファミ通キューブ+アドバンス』は左開きの雑誌のため漫画は左から順に読んでいく構成になっており、ふきだし内のセリフは基本的に横書きになっている。ふきだし内のセリフは『大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』までは手書きだったが、『どうぶつの森+体験記』からはパソコンで打った文字になった。ふきだし以外のセリフや描き文字などは手書きされている(たまにふきだし内のセリフが手書きされていることもある)。基本的にはゲーム画面なども全て絵で表現されているが、連載後半ではパッケージ写真や実際のゲーム画面や公式イラストなどを作中に取り入れている
こともある。ちなみに『ポケットモンスター エメラルド体験記』及び『ポケットモンスター エメラルド体験記 熱闘編』では、それらを作中に取り
入れている割合が他の回と比べて特に大きい。その理由はおそらく、作者が当時妊娠していたので仕事量を軽減するためだと思われる。漫画が掲載
されているページの端部分には、漫画に関するコメントや作者への便りの宛先がオレンジ色の文字で縦一行で書かれている(書かれていないページもある)。漫画の最後のページの一行コメント欄には次回予告が書いてある場合もあり、翌号の漫画は基本的にはその予告通りの内容になっているが、例外もある。2004年5月号では漫画の最後のページに「次回、ひちゃこが鏡の世界で大奮戦!?」という次回予告が書いてあり、これは明らかに
『星のカービィ 鏡の大迷宮』のことを指しているが、翌号の6月号で実際に掲載された漫画は『ゼルダの伝説 4つの剣+』がテーマにされていた。
おそらく『鏡の大迷宮』の発売が延期されたためだと思われる。漫画の掲載ページは不定だが、基本的に後半のページに掲載されている。ちなみに、基本的に漢字には全てふりがなが振ってある。
扉絵について
漫画の扉絵内のタイトルの「体験記」部分は全てゲームのロゴに合ったデザインとなっている。ちなみにこの「体験記」にもご丁寧にふりがなが
振ってある。「ひちゃこの」という文字は連載初期はデザインがバラバラだったが『スーパーマリオサンシャイン体験記』以降は全て同じ
字体(赤縁取りの黄色文字)で統一されている(単行本表紙のタイトルロゴの「ひちゃこの」という文字もこの字体が使われている)。ちなみに
「ひちゃこの」の「の」は助詞のため全て「ひちゃこ」より小さいサイズで記載されている。また、ただの付け忘れだと思われるが『大乱闘
スマッシュブラザーズDX体験記』と『どうぶつの森+体験記』のタイトルには「ひちゃこの」が付いていない(単行本では『どうぶつの森+体験記』には「ひちゃこの」が付けられているが、例の赤縁取りの黄色文字で記載されているため、気づいた編集者が後付けしたんだなということがバレバレである。『大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』には「ひちゃこの」が単行本でも付いていない。)。扉絵内の作者名は、『バイオハザード
体験記』までは字体も配置もバラバラだったが『ポケモンミニ体験記』以降は全て同じ字体(白縁取りのオレンジ文字)で扉絵内下方に配置される
ようになった。
登場人物
ひちゃこ
主人公で、漫画内での作者本人(このキャラは作者の自画像キャラクターのため作者本人がほぼそのまま投影されている)。ゲームが好きだが操作は下手で進歩がない。アクションゲームやレースゲームが特に苦手。基本的にテンションが高く明るい性格だが、負けず嫌いで、泣き虫でもある。
また、ミーハーで、好きなタイプはクールな二枚目だという。高いところ、怖いものが苦手。ゲーム中パニックになることが多く、ドジを踏んだり、時にはずるをしたりする。ゲームの難所に文句を言ったり、途中で投げ出しそうになることもあるが最後は再開し、ゲームを放棄することはない。
茶髪で目の色はブラウン。頭のてっぺんのアホ毛が特徴的。服装や髪型は毎回様々で、ゲームキャラクターに扮することが多い。ギャグ要素の強い
漫画のため頭身は二頭身だったり五頭身だったりころころ変化する。比較的高頭身で描かれている場合、体は華奢に描かれており、また、胸の
ふくらみが描かれているのでキャラクターの年齢は連載当時のひちゃこ先生本人と同じ年齢(20代後半?)という設定だと思われる。ただ、
『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』では「少女」と紹介されている。ちなみにひちゃこ先生本人の容姿がこの自画像
キャラのように茶髪で華奢なのかどうかは不明。美化されて描かれている可能性もある。
読者に語りかけることが多く、非常に好感のもてる人物である。一人称は「ひちゃこ」「あたし」「ひーちゃん」など。
登場話
全話に登場
ヒ=チャーコ
『マリオカート ダブルダッシュ!!体験記』で初登場した謎の仮面少女。読みは「ひ・ちゃーこ」。名前の由来は明らかに「ひちゃこ」を捩っただけ。なぜ「ヒ」と「チャーコ」の間が「・」ではなく「=」なのかは不明。「キュートな笑顔がチャームポイント 愛と正義と美貌の美少女仮面♡」と
自己紹介している。容姿はひちゃこと瓜二つだが、メガネ型の仮面をつけており、目元が隠されている。最後まで仮面をつけた姿で登場し、素顔は
明かされなかった。ひちゃこをライバル視していて負けず嫌いな性格。ゲームの腕は、ひちゃこと五十歩百歩。頭身もひちゃこ同様、二頭身だったり五頭身で描かれていたりする。服装も毎回様々だが、水玉柄の半袖に赤い短パンと赤い靴で黒いマントをしていてシルクハットのようなものを被っている初登場時の格好がキャラとしての正装だと思われる。年齢などもひちゃこと同じぐらいの設定だと思われる。ひちゃこに仮面をつけただけというキャラデザの雑さを考えると、ネタ不足のために無理矢理生み出されたキャラだと思われる。『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』では、「コチャヒ」という架空の人物に成り済ましてひちゃこにゲームで勝とうとしたが失敗し、最後はひちゃこによって特製モンスターボールに閉じ込められた。
登場話
第24話『マリオカート ダブルダッシュ!!体験記』
第25話『マリオパーティ5体験記』
第27話『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』
第28話『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記 激闘編』
第29話『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』
第35話『ポケットモンスター エメラルド体験記 熱闘編』
ひちゃお
『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣体験記』で初登場。当初は実況&解説キャラとして登場したが、後にひちゃこ達とゲームで対戦も
した。名前の由来は明らかに「ひちゃこ」を男性名にしただけ。ひちゃぞうとは双子で、ひちゃおが兄。眼鏡をかけており、茶髪で短髪で七三に
分けている。何歳ぐらいの設定なのかは不明だが、少年のような顔形なのでもしかするとひちゃこ達より若いのかもしれない。頭身は基本的に
二頭身~三頭身で描かれており、ひちゃこやヒ=チャーコのような五頭身などの高頭身では一度も描かれていない。真面目で冷静な性格。思慮深く、腹黒い面もある。また、ゲーム解説者だけあって知識があり、ゲームを進めるのが早い。
登場話
第17話『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣体験記』
第21話『カービィのエアライド体験記』
第28話『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記 激闘編』
第29話『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』
第35話『ポケットモンスター エメラルド体験記 熱闘編』
ひちゃぞう
『カービィのエアライド体験記』で初登場。ひちゃおの弟で、実況&解説キャラとして登場。何故「ぞう」なのか名前の由来は不明。性格などは
ひちゃおとほぼ同じで、頭身もひちゃお同様、二頭身〜三頭身で描かれている。ゲームの腕もひちゃおと同じぐらいだが、
『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』のナビトラッカーズの対戦では優勝した。双子のため、容姿は一見ひちゃおと瓜二つだが、髪の分かれ方や眼鏡の形が微妙に違う。ちなみに双子揃ってダジャレ好きである。
登場話
第21話『カービィのエアライド体験記』
第28話『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記 激闘編』
第29話『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』
第35話『ポケットモンスター エメラルド体験記 熱闘編』
掲載話
第1話『ひちゃこのピクミン体験記』(2002年2月号掲載)
第2話『ひちゃこの大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』(2002年3月号掲載)
第3話『ひちゃこのどうぶつの森+体験記』(2002年4月号掲載)
第4話『ひちゃこのカードe体験記』(2002年5月号掲載)
体験したカードeは『ポケモン』と『どーもくん』と『どうぶつの森+』。
第5話『ひちゃこのバイオハザード体験記』(2002年6月号掲載)
2002年3月22日発売の『biohazard(リメイク版)』を体験した。
第6話『ひちゃこのポケモンミニ体験記』(2002年7月号掲載)
体験したソフトは『ポケモンパーティミニ』と『ポケモンショックテトリス』と『ポケモンアニメカード大作戦』と
『ポケモンパズルコレクション』と『ポケモンピンボールミニ』の5つ。
第7話『ひちゃこのポケモンセンター体験記』(2002年8月号掲載)
『ポケモンセンタートウキョー』と『ポケモンセンターオーサカ』に訪問した。『オーサカ』では子供たちの絵を展示するコーナー
「ちびっこギャラリー」に絵を描いてきたという。漫画の最後では作者による読者へのポケモンセンターのグッズプレゼント(抽選で1名)
が行われた。
第8話『ひちゃこのゲームアニメ体験記』(2002年9月号掲載)
ゲーム発のアニメを紹介する回。紹介したアニメは『星のカービィ』と『ロックマンエグゼ』と『劇場版ポケットモンスター 水の都の護神
ラティアスとラティオス』とその同時上映『ピカピカ星空キャンプ』。単行本には唯一未収録の回である。
第9話『ひちゃこのスーパーマリオサンシャイン体験記』(2002年10月号掲載)
第10話『ひちゃこのスーパーマリオサンシャイン体験記 スーパーテクニック編?』(2002年11月号掲載)
第11話『ひちゃこのスーパーマリオアドバンス3体験記』(2002年12月号掲載)
作中では『マリオブラザーズ』には一切触れておらず、実質『ヨッシーアイランド』体験記となっている。
第12話『ひちゃこのマリオパーティ4体験記』(2003年1月号掲載)
第13話『ひちゃこの1周年記念体験記』(2003年2月号掲載)
連載1周年を記念してそれまでの連載を振り返る回。ひちゃこに関するクイズがあったり、漫画本編の下におまけ漫画が載っている。
第14話『ひちゃこのゼルダの伝説 風のタクト体験記 前編』(2003年3月号掲載)
第15話『ひちゃこのゼルダの伝説 風のタクト体験記 後編』(2003年4月号掲載)
第16話『ひちゃこのニューハード体験記』(2003年5月号掲載)
任天堂の新製品を紹介する回。ゲームボーイアドバンスSPとゲームボーイプレーヤーとワイヤレスコントローラ『ウェーブバード』を
『メトロイドフュージョン』をプレイしながら紹介した。
第17話『ひちゃこのゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣体験記』(2003年6月号掲載)
漫画は『4つの剣体験記』と『神々のトライフォース小劇場』(ミニ漫画)の2本立て。『4つの剣体験記』は、ひちゃこはゲームをプレイする
のではなくレポーターとなってゲームの様子を伝えるという形で描かれている。
第18話『ひちゃこのファイアーエムブレム 烈火の剣体験記』(2003年7月号掲載)
第19話『ひちゃこのMOTHER1+2体験記』(2003年8月号掲載)
『MOTHER』には少ししか触れておらず、漫画にはほぼ『MOTHER2』の世界が描かれている。
第20話『ひちゃこのどうぶつの森e+体験記』(2003年9月号掲載)
第21話『ひちゃこのカービィのエアライド体験記』(2003年10月号掲載)
ウエライド、シティトライアル、エアライドの順で体験した。
第22話『ひちゃこの伝説のスタフィー2体験記』(2003年11月号掲載)
第23話『ひちゃこのマリオゴルフ ファミリーツアー体験記』(2003年12月号掲載)
第24話『ひちゃこのマリオカート ダブルダッシュ!!体験記』(2004年1月号掲載)
第25話『ひちゃこのマリオパーティ5体験記』(2004年2月号掲載)
第26話『ひちゃこのドンキーコンガ体験記』(2004年3月号掲載)
ひちゃこは「ひちゃコング」という猿の少女となってゲームの世界を体験している。
第27話『ひちゃこのポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』(2004年4月号掲載)
第28話『ひちゃこのポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記 激闘編』(2004年5月号掲載)
登場人物4人全員が登場し、ゲームで対戦した。
第29話『ひちゃこのゼルダの伝説 4つの剣+体験記』(2004年6月号掲載)
前回に続いて登場人物4人全員が登場。ハイラルアドベンチャー、ナビトラッカーズを4人でプレイした。作中ではシャドウバトルには
一切触れていない。
第30話『ひちゃこのピクミン2体験記』(2004年7月号掲載)
第31話『ひちゃこのワリオワールド体験記』(2004年8月号掲載)
第32話『ひちゃこのペーパーマリオRPG体験記 その1』(2004年9月号掲載)
第33話『ひちゃこのペーパーマリオRPG体験記 その2』(2004年10月号掲載)
第34話『ひちゃこのポケットモンスター エメラルド体験記』(2004年11月号掲載)
第35話『ひちゃこのポケットモンスター エメラルド体験記 熱闘編』(2004年12月号掲載)
単行本について
内容
『ファミ通キューブ+アドバンス』2002年2月号から2004年12月号までに掲載されたひちゃこの漫画や、本誌の付録シール用イラスト(作者は、
本誌の付録シール用のイラストを描いたことがあり、2002年7月号と2003年8月号と2003年10月号には作者が描いたイラストのシールが付録として付いた。)などが収録されている。更に、この漫画の制作過程を解説するページや、作者への質問ページなどがある。表紙を取ると、下書きのようなイラストが表れる。
発売までの経緯
2004年4月号の「編集部なんでも通信」(編集部が読者に情報などを告知するコーナー)で初めて単行本化が発表された(この号掲載の『ポケット
モンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』の最後のページでも単行本化が決定したことが書いてある)が、この時点では2004年3月下旬発売予定ということ以外、詳細は何も決まっていなかった。翌号の5月号では、諸般の事情で発売が延期になったことが発表され、発売日は一転して未定となり、詳細が全くわからない状態となった。続報が無いまま漫画の連載は終了。連載終了後の2005年1月号でようやく発売日や価格や内容が
発表され、単行本の表紙用イラストのラフスケッチも公開された(このラフは当時のもので、実際に表紙に使われたイラスト及び単行本表紙を取ると表れる下書きとは大分違っている)。翌号の2月号(2004年12月21日発売)では、単行本の表紙と帯が公開され、書き下ろしも収録していることが発表された。
そして、連載終了から約2ヶ月後の2004年12月25日、単行本『ひちゃこのゲーム体験記』が発売された(一部地域は2005年1月5日発売)。
ちなみに、2005年3月号の「編集部なんでも通信」では、絶賛発売中という告知とともに、単行本を購入した読者からの喜びの声を紹介するなど、
宣伝に力を入れている。
雑誌掲載のものとの相違点
雑誌掲載のものと単行本収録のものでは細かい部分で違いが見られるので発見した範囲で記述する。
*『ピクミン体験記』と『大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』のセリフが、単行本ではパソコンで打った文字に変更されている(雑誌掲載の
ものは「まんが」と平仮名だったのに単行本では「マンガ」とカタカナになっていたり、単行本ではゲーム名を指す「ピクミン」という言葉に
『』が付いていたりと、細かい違いがある。また、『ピクミン体験記』10コマ目の「はーい ごはんですよー たーんと おたべー」は、ふきだし外
のセリフなのに単行本ではパソコンで打った文字に変更されている。)。連載当初は読み切りの予定だったのでふきだし内の文字も手書きで
簡単に済ませていたが連載が決まったので『どうぶつの森+体験記』からふきだし内の文字をパソコンで打った文字に変更、単行本化する際は
統一するため『ピクミン体験記』と『大乱闘スマッシュブラザーズDX体験記』のふきだし内の文字もパソコンで打った文字に変更して
収録した、といったところだろう。
*連載当時の『ファミ通キューブ+アドバンス』内では漫画タイトルは例えば「ひちゃこのピクミン体験記」と記載されているが、単行本では
「ひちゃこの『ピクミン』体験記」と、テーマとなっている部分に『』を付けて記載してある。
*『バイオハザード体験記』については、連載当時の『ファミ通キューブ+アドバンス』の目次やアンケートハガキ等では漫画タイトルのゲーム名
はカタカナで書かれていたが、単行本では英語で書かれている。また、『ペーパーマリオRPG体験記』については、雑誌掲載時は副題は付いて
いなかったが、単行本では「その1」という副題が付けられている。
*雑誌と単行本では本のサイズが異なるため、単行本の漫画は雑誌掲載のものを縮小して収録している(本誌の付録シール用イラストについては、
漫画に反して拡大して収録されているものもある)。そのため、細かい部分が見づらくなってしまっていたりと残念な点もある。
また、印刷の都合なのか、単行本では雑誌掲載のものと比べると色が若干薄くなっている印象を受ける。
*漫画の扉絵の作者名が消えている。また、扉絵の邪魔にならない為の配慮なのか、単行本ではタイトルの位置が少々移動している。
*雑誌掲載時にページの端に載っていた漫画に関する一行コメントが単行本には載っていない。単行本では各話の最初のページの最下部に、簡単な
解説やゲームの発売日などの情報が記載(2号掲載のものは最初の回にのみ載っている)、各話の右ページ右上に各話タイトル名が記載、各話の
最後のページの最下部にコピーライトが記載されている。
*『ポケットモンスター エメラルド体験記』については、連載当時の『ファミ通キューブ+アドバンス』の目次や最後に付いているアンケート
はがきや、単行本の目次では漫画タイトルのゲーム名は『ポケットモンスターエメラルド』と、「ポケットモンスター」と「エメラルド」は
くっ付いて記述されているが、単行本の『ポケットモンスター エメラルド体験記』掲載ページの右ページ右上に記載されている漫画タイトル
のみゲーム名は『ポケットモンスター エメラルド』と、「ポケットモンスター」と「エメラルド」の間に半角スペースを入れて記載されている。
その他
*単行本表紙にはニンテンドーDSが描かれているが作中には出てこない。おそらく表紙用イラスト制作時期が丁度ニンテンドーDS発売直前頃
だったため、せっかくだし任天堂の新製品を描いておきたいという思いがひちゃこ先生の中にあったのだと思われる。もしくは担当編集者から
何か指示があったのかもしれない。また、表紙や目次に本体カラーがバイオレットのGCやGBAが描かれていたり、1ページ目にバイオレットの
GCに「ひちゃこのゲーム体験記」と書かれたディスクが入っている写真が掲載されていたりするが、作中ではひちゃこは本体カラーがオレンジの
ものを使っている(『カードe体験記』の回のみGBAはオレンジではない)ので、ひちゃこ先生が実際に持っているハードの本体カラーは
オレンジだと思われる。しかしそうなると、1ページ目の写真のGCは一体誰の物なのか疑問である。ひちゃこ先生がオレンジに買い直す前に
最初に持っていたGCなのか。もしくは漫画では好きな色であるオレンジを描いているが実際に持っているのはバイオレットという可能性もある。
しかし、この写真のGCには4色のコントローラーが接続されているのでその事を考えるとこのGCはおそらく『ファミ通キューブ+アドバンス』の
編集部が用意したものなのだろう。
*『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』の情報欄の発売年が「2002年」となっているなど、単行本(初版)では
印刷ミスが多々ある。
*単行本の帯では「全ゲーマー必見!! へっぽこひちゃこの体当たり型ゲーム体験レポート!!!!」と紹介されている。
*単行本は発行部数が少なく現在では新品は入手困難である。
作画について
漫画の作画は、単行本の「ひちゃこマンガができるまで その②」を読めばわかるが、全話アナログ作画である。線は黒いペンで、髪や顔のパーツや
服のしわ、小さな文字や細かい部分などは特に線が細く、太ペンと細ペンを使い分けて描かれている。着色は全てコピックなどのマーカー。着色技術が高く全体的に美しく仕上がっている。ちなみに連載当時、作者は作画はほとんどアナログで行っていたが、本誌の付録シール用イラストや読者などに送る年賀状用のイラストはデジタル作画のものもあった。
約3年間という長期連載だったため絵の変化が見られる。基本的な絵柄は変わっていないが、主人公ひちゃこの髪や目の描き方が微妙に変化して
いる。また、絵や着色の上達も感じられる。目の描き方については作者本人も『1周年記念体験記』の「とびらえギャラリー」で、過去の絵に対して「いまと目が違う!!」と語っている。
他の登場人物も描かれ方が変化している。ヒ=チャーコについては、登場初期は仮面の色はグレーだったが『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン体験記』から赤に変わっている。ひちゃおとひちゃぞうについては、登場初期は髪は固められていたが『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』からふさふさとした髪になっている。ちなみにこの2人の描かれ方は曖昧で、『ゼルダの伝説 4つの剣+体験記』から髪の分かれ方が逆になり、
最終回の最後で登場した際は眼鏡の形が逆になっており、登場初期と比べるとこの2人の描かれ方は全て逆になってしまっている。単行本の登場人物紹介では、髪型は登場初期の分かれ方で、眼鏡の形は登場初期とは逆で描かれており、どれが正しいのか不明である。
「編集部注目ソフト大紹介!!」について
作者は『ファミ通キューブ+アドバンス 2003年6月号』のゲーム紹介コーナー「編集部注目ソフト大紹介!!」(2003年6月号から始まった、編集部が注目したゲームを色々な形で紹介するコーナー。第1回目は『新約 聖剣伝説』を漫画で紹介した。『聖剣伝説』シリーズが好きだというひちゃこが
漫画を担当した。)の漫画を描いており、この漫画は特別収録として単行本に収録された。『ファミ通キューブ+アドバンス』編集長の「水ピン」が作中に登場しており、漫画は水ピンがひちゃこにゲーム内容を紹介するという形で描かれている。漫画の構成はカラーで4ページで基本的には
『ひちゃこのゲーム体験記』と同じだが、ゲームの紹介が目的のため、ゲーム画面やゲームの公式イラストを引用してゲームの内容を説明している
コマが多い。
原稿制作日程の矛盾
単行本のおまけページ「ひちゃこマンガができるまで」には、締切までは1ヶ月ほど期間があり、締切の1ヶ月前に漫画のテーマにするゲームを購入
してプレイを開始し、締切の10日前に原稿に取りかかる、などと漫画の制作日程が具体的に書かれているが、掲載された全話がこの日程に当て嵌まる訳ではない。製品(ゲーム)の発売日からその製品をテーマにした漫画が掲載される『ファミ通キューブ+アドバンス』の発売日まで、1ヶ月も期間が無いものは以下の通り。
『カードe体験記』の『どーもくんのカードe』
発売日は2002年2月21日で、掲載誌の発売日は2002年3月20日。
『バイオハザード』
発売日は2002年3月22日で、掲載誌の発売日は2002年4月20日。
『マリオパーティ4』
発売日は2002年11月8日で、掲載誌の発売日は2002年11月21日。
『ニューハード体験記』の『ゲームボーイプレーヤー』
発売日は2003年3月21日で、掲載誌の発売日は2003年3月20日。
『MOTHER1+2』
発売日は2003年6月20日で、掲載誌の発売日は2003年6月21日。
『どうぶつの森e+』
発売日は2003年6月27日で、掲載誌の発売日は2003年7月19日。
『伝説のスタフィー2』
発売日は2003年9月5日で、掲載誌の発売日は2003年9月20日。
『マリオカート ダブルダッシュ!!』
発売日は2003年11月7日で、掲載誌の発売日は2003年11月21日。
『マリオパーティ5』
発売日は2003年11月28日で、掲載誌の発売日は2003年12月20日。
『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』
発売日は2004年1月29日で、掲載誌の発売日は2004年2月21日。
『ピクミン2』
発売日は2004年4月29日で、掲載誌の発売日は2004年5月21日。
『ワリオワールド』
発売日は2004年5月27日で、掲載誌の発売日は2004年6月21日。
『ペーパーマリオRPG』
発売日は2004年7月22日で、掲載誌の発売日は2004年7月21日。
『ポケットモンスター エメラルド』 ↑『ひちゃこのゲーム体験記』単行本表紙
発売日は2004年9月16日で、掲載誌の発売日は2004年9月21日。
当然だが締切は掲載誌の発売日の前なのでゲームのプレイを含めた原稿制作期間は更に短くなり、製品の発売日に製品を購入していては原稿を描く
時間をほとんど確保できない。また、1ヶ月無いどころか、製品の発売日よりも先に掲載誌が発売されているものまであり、明らかに作者は製品の
発売日以前にその製品に触れていたことになる。ちなみにゲームボーイプレーヤーに関しては、『ニューハード体験記』の作中で「ひとあし先に
遊んできた」とひちゃこがちゃんと説明している。
連載誌での反応など
*連載開始号の2002年2月号では、作者のひちゃこは「癒され系(?)マンガ家」と紹介されている。
*この漫画の連載が開始してからは、作者にファンレターを送ったり『ファミ通キューブ+アドバンス』にこの漫画や作者に関する投稿をする読者
が出てきた。また、本誌の読者イラスト投稿コーナーには、この漫画の登場人物を描いたイラストが投稿されるようになった。人気漫画のため
その数も多く、時には読者イラスト掲載ページ内に『ひちゃこのゲーム体験記』関係のイラストのみを掲載する「ひちゃこファンクラブ」
(時には「ひちゃこファンクラブスペシャル」)という掲載枠が設けられるほどであった。
*連載当時はこの漫画は「ひちゃこのゲーム体験記」という呼称以外にも「ひちゃこ体験記」や「ひちゃこの〇〇体験記」、「ひちゃこの~体
験記」などとも呼ばれていた。ゲーム以外がテーマにされている回もあるため「ゲーム体験記」と一概には呼ぶに呼べなかったのだと思われる。
連載誌での漫画タイトルの記述について
この漫画が連載されていた当時の『ファミ通キューブ+アドバンス』の目次や最後に付いているアンケートはがきでは、漫画タイトルが微妙に違っていたり省略されていたり副題が付いているものは副題が省略されていたりする場合がある。例えば、以下のようなケースがある。
*2002年4月号の目次では「どうぶつの森+体験記」(「ひちゃこの」が省略)と記述されている。
*『ひちゃこの1周年記念体験記』は、掲載号である2003年2月号の目次では「ひちゃこの1周年記念マンガ」と記述されており、アンケート
はがきでは「ひちゃこ1周年記念マンガ」と記述されている。
*2003年12月号のアンケートはがきでは「ひちゃこのマリオゴルフ体験記」(「ファミリーツアー」が省略)と記述されている。
*2004年4月号のアンケートはがきでは「ひちゃこのポケモン ファイアレッド・リーフグリーン体験記」(本来は「ポケットモンスター」なのに
「ポケモン」と省略)と記述されている。また、翌号の5月号の アンケートはがきでも記述は同じなので、こちらは副題「激闘編」が省略されて
いることになる。
*2004年10月号のアンケートはがきでは「ひちゃこのペーパーマリオRPG体験記」(副題「その2」が省略)と記述されている。
*2004年11月号のアンケートはがきでは「ひちゃこのポケモンエメラルド体験記」(本来は「ポケットモンスター」なのに「ポケモン」と省略)
と記述されている。
*2004年12月号の目次では「ひちゃこのポケットモンスターエメラルド体験記」(副題「激闘編」が省略)と記述されている。また、アンケート
はがきの記述は前号と同じ。
備考
*この漫画は、作者にとって初めてにして唯一の単行本化された作品で、代表作の一つである。ちなみに、作者の漫画家人生で初めて単行本化
された作品なのでデビュー作とも言えるが、作者はこの作品の連載前から漫画家・イラストレーターとして活動しているのでこの作品は厳密には
デビュー作ではない。
*作者は本作の続編に関して、「続きを描いていないから2巻は出ない」と自身のブログで語っている。
*この作品は作中でも単行本のおまけページなどでも、「漫画」という言葉の表記は漢字ではなくほとんど「マンガ」とカタカナ(たまに平仮名)
で表記されている。
*この漫画を連載していた頃は、最初はゲームに夢中になってしまい、締切の10日前になってようやく原稿に取りかかり、原稿が完成するのは
締切当日だったという。
*印象に残っているゲームは特に『バイオハザード』や『伝説のスタフィー2』だと作者は語っている。
*この漫画を連載していた頃、原稿作成の色塗りの段階で原稿にコーヒーをぶちまけてしまったことがあると語っており、漫画家を目指す人に
向けて作者は「原稿の近くにコーヒーカップを置かないこと」とアドバイスしている。
*この漫画を連載していた頃は、「マンガに描いたのはおおげさでしょ?」などと漫画は多少脚色して描いているのではないか疑問視する便りが
読者から届くことがあったという。それに対して作者は、ゲームの操作は本当に下手だと語っており、数多くのゲームをプレイしてきたが
コントローラーの使い方は未だに成長していないという。一方で「ゲームを愛する心」は急成長したと語っている。